「紙幣でってことなら、申し訳ありやせんが三百三十イラいただきます」
王都三の郭、大通りに屋台を出している男はにべもなくそう言った。
「おい!」
その言葉にレックが食って掛かった。
「一割り増しで払えってのか! ふざけるな!」
だが屋台の男は動ずることなく応じた。
「と、言いやすがね、紙幣なんて訳のわかんねえモンで、大事な商品を売るこっちの身にもなって下さいよ。それに王都じゃこれは普通ですぜ、旦那? そちら様はどこからのお上りさんなんで?」
そう言う男の口調は随分とぞんざいでかなり嘲笑的でもあった。
レイナートの従者を演じるため、レックは腰には短剣しか提げていない。衣服も至極普通の平民の普段着である。その故に屋台の男はレックの正体にはとんと思いが及ばなかったのだろう。
ところで、二人の会話をレックの背後、少し離れたところで聞いていたレイナートは思わず腕組みをしてしまった。
久々に街へ出て、紙幣の使用状況を確かめてみようと、屋台で買い物をしてみることにしたレイナートである。
小腹が空いたという訳でもなかったが、食べ物を売る屋台が多いということもあって蒸しパンを買うことにしたのである。それで一つ百五十イラのを二つ求めることにしたのであった。
「蒸しパン一つが百五十イラなんて、ボッタクリじゃないのか?」
当初レックは、言っている内容はともかく、落ち着いた口調でその男と話をしていた。元が平民のレックである。取り繕うことなく話をすれば普通の平民の男にしか見えない。
半ば茶化すような口調は、周囲には値切る客とそれをかわす店主という、これまた極ありきたりの風景に見えたことだろう。
「何言ってんですよ! ついこないだまでは一個二百三十イラはしてたんですぜ? 橋が架かってようやく値段が下がってきたんだ。それでもまだまだ昔のようにはなってねぇんですよ?」
屋台の男はレックにそう答えたのである。
ところが金を払う段になって、屋台の男はレックが懐から真新しい五百イラ札を取り出したのを見て態度を変えたのだった。
「紙幣……ですかい?」
困惑気味の男にレックが言った。
「何か問題があんのか?」
そこで屋台の男の、最初のセリフが飛び出したという訳である。
それを聞いてレックが怒り心頭といった面持ちで男に食って掛かった。
「馬鹿野郎! 紙の金と言ったって、レイナ……、国王陛下がお決めになったものだぞ! そのお触れに従えねえってのか!」
「勘弁して下さいよ、旦那。別に俺だけじゃねぇですぜ? どこだってみんな同じことをしてまさぁ」
レイナートの顔がますます険しくなった。そうして静かに前へ出て屋台の男に尋ねたのである。
「屋台で商いをする者は皆、紙幣での支払いは一割り増しで請求しているのか? そしてそれは商会においても同様なのか?」
男の表情が一気に不安なものに変わった。目の前に出てきた人物が何者なのか計りかねたからである。
何せ王都内において長剣を提げている人物というのは必ず貴族身分である。その相手に礼を欠けば侮辱罪もしくは不敬罪に問われる。その影響の範囲は大分異なるものの、本人は必ず死罪になるのだから当然だろう。
「い、いえ、そんなこたぁありやせん……と思います。
ですが、あっしらだって不安なんですよ。紙幣を受け取ったはいいけど、その後自分の支払いとか……、買い物に使えるかどうかわかんねえですから……。
ですから保険っていう意味で少しばっかし上乗せさせてもらってるんですよ」
それを聞いてもレイナートは極めて落ち着いた口調で質問を続けた。
「だがその件に関しては国がきちんと保証しているはずだが?」
「そりゃあそうですが……。でも一年間は現金に出来ねぇんですし……」
「……」
レイナートは押し黙ってしまい、さらに難しい顔をしていた。
リンデンマルス公爵領内でも独自の紙幣を流通させており、いずれは国発行の紙幣と交換しつつ移行させていく予定である。
そうしてこちらも当初は領民達の間に戸惑いが見られたが、現在では一般的なものになりつつあった。それはひとつにはリンデンマルス公爵領内限定ということと、もうひとつには領民達のレイナートに対する絶大な信頼感からである。
レイナートは領主として領民に対し、払うべきものは一イラも誤魔化さずに払うという姿勢を採っている。そうして紙幣の使用も頭ごなしで一方的に命じるのではなく、村長や郡長を通して納得出来るまで説明させている。このことが紙幣流通に貢献しているのは疑いの余地がない。であるからこそ、リンデンマルス公爵領内の紙幣流通はうまくいったということもあった。
だが、これを国家規模で行うにはやはり足らざる部分が多かったということか。
ようやくレイナートが静かに口を開いた。
「紙幣を金貨や銀貨のように普通に、しかも正しく使うということは無理だろうか?」
レイナートの問い掛けに屋台の男は肩をすくめる。
「さあどうでしょうね。あっしが一人で頑張ったところで、みんながみんながそうしなきゃぁ無理だと思いやすね」
「では、皆でそのようにはしてもらえないだろうか?」
「と、仰られてもねぇ……」
男はより一層肩をすくめた。
男にすれば、自分はしがない一蒸しパン売りでしかない。そんな者に御大層なことを要求されても、ということである。
「今、国としては新しい貨幣の鋳造は出来かねているのが現状だ。それで急場凌ぎではあるが、紙幣を以って代用させようというのだ。
したがってきちんと額面通りで正しく使用されなければ、紙幣という貨幣制度そのものが崩壊してしまう」
「はぁ……」
男が溜息混じりに返事をした。そんなことを言われても……と。
紙幣の発行は王都外側の橋の建設と並んで、否、それ以上に国の命運を左右する重要な新規事業である。これが初端からつまずいたら国の再生もへったくれもなくなってしまう。
レイナートはそれほど重大なこととして捉えているのである。
レイナートは深く沈思していた。
―― どうするか……?
この場で己が国王であることを明かし、その強権を以ってこの男に命ずることは出来る。その上監視までもつけ、再び紙幣で買い物しようという者に割増料金で販売することがあったら厳罰に処することは出来る。
―― だが、それでは問題は解決しない……。
いつの間にか周囲には人だかりも出来始めていた。
このことは煎じ詰めれば紙幣の信用問題である。
イステラの通貨であるイラ金貨、銀貨、銅貨は全く問題なく流通している。それは国内外においてである。国内においては誰もが普通にそれで買い物をしている。国外においてもその国の通貨との交換比率は極端に変動しない。どころかこの数十年間全く変わっていない。それはすなわち、イステラの通貨イラの価値と物価が非常に安定しているということであり、言い換えるなら、その価値が信用されているということにほかならない。
ところが同じ商品を片や百イラで売買しているにもかかわらず、紙幣での場合一割増しの百十イラでとなると、それは紙幣の価値が金属貨幣に比べ低いということになる。それにもかかわらず額面が同じ、ということであれば混乱を生じる。どころか紙幣の通貨としての価値に信頼性が全くないということになってしまう。
いずれは紙幣を廃止して元の金属貨幣に一本化するとしても、それまでの間にイステラ経済は取り返しの付かないことになってしまいかねない。
今でさえ経済は混乱しているのである。否、その混乱を解消し立て直す目的での紙幣発行である。これでは本末転倒も甚だしい。
―― どうしたものか?
確かに目の前にいる男一人に向かって何を言ってもそれでは焼け石に水である。
―― 新たな通達を出すか? だがそうするとそれが正しく履行されているかどうかの検証も必要だ。まさか暗部を秘密警察よろしく動かすというのも考えものだ。それでは最悪、恐怖政治になってしまう……。
腕を組んで考え込んでいるレイナートを見て、屋台の男の顔に恐怖が浮かびつつあった。
「あ、あの……、もしかして旦那様は財務省の……」
男が恐る恐る尋ねてきた。紙幣使用に関することでレイナートが言った言葉から、役人ではないかと類推してのことだろう。
だがそれをレックが否定した。
「馬鹿、何言ってやがる! こちらのお方は……」
「止せ、レック」
レイナートがレックを制止する。ここでレイナートが国王であることを告げたなら問題がどれほど大きくなってしまうことか。それは避けねばならない。
だがこのことに限って言えば、レイナートにも責任の一端があることは否定出来ない。何故なら、国民のほとんどが新国王の顔を知らないのだが、それはレイナートが即位後、本来なら行われる行事のほとんどを取り止めたからである。
通常新たな国王が即位した場合、それは関係各省や貴族家、さらに町や村の自治組織を通して国王即位の通達が行われる。そうして一部市民を二の郭に集めその前で新国王は即位の演説を行い、その後馬車に乗って王都内を回る。これら一連の行事は市民らに新国王の顔を見せるためであり、これは弟のアレグザンドが立太子した時にも同様のことが行われた。
ところがレイナートはこの演説も馬車による王都内巡幸も行わなかった。一つにはそういった古い仕来りとか形式的な儀礼というものを好まないからであり、今一つは父であった国王アレンデル、養母であった王太后セーリアの突然の崩御に、手放しで新国王の即位を祝うという雰囲気ではなかったということもあった。
第一、大地震と火災に見舞われ王都内は混乱しており、そのような時に人を一箇所に多数集めたらそれこそ暴動が起きかねない。そのような理由から実施されなかったのである。
したがって大多数の王都市民達にとって、新国王レイナート陛下のご尊顔を拝する機会がなかったのである。
「今は非常時である。そのようなことをしている時ではないのではないか?」
この言葉が即位後のレイナートの口から何度出たことか。
古き伝統を維持することを旨とする貴族達も、この言葉に納得せざるを得なかったことも多い。
もちろんこれによってレイナートは己の独裁色を強めようという意図は微塵もなかった。とにかく一日も早い復興と安定、これのみを願ってのことである。そのためには形式的な儀礼というものを後回しにしたということが多々あった。即位後の演説、王都巡幸もその一つである。
それが結果、今レイナートの眼の前にいる男は、レイナートが誰であるかに気づかないということにつながっている。もっとも、国王がお忍びで王都内を歩いているなどということが本来有り得ないことであるから、そもそも気づかないということもあり得る。そういう意味ではこの男だけを責めることはいささか酷に過ぎるだろう。
レイナートは男に向かって、再び静かに口を開いた。
「この紙幣は私の発案であり、私の責任において実施が決定されたものである。それ故私は王都内でどのような状況になっているのかを確かめたかったのだ。
だがこのような状況では、生憎だがその方の商品を求める訳には参らなくなった。邪魔をした、済まぬ。
行くぞ、レック」
そう言ってレイナートはその場を立ち去ろうとする。
呼ばれたレックは、まだなにか言いたそうだったが仕方なくその後に続こうとする。屋台の男は手渡しするはずの蒸しパンの袋を所在なく持ったままだった。
レイナートは、一割増しで紙幣で支払うことも、正価で銀貨で払うこともレックにさせられなかった。それは己自身が紙幣の価値、信用度を貶めることにつながるからであった。
ところがそこでレイナートは突然声をかけられた。
「レイナ……、いえ、国王陛下!」
レイナートが振り返ると、中年女が地面に膝をつき頭を垂れていた。
周囲に集まっていた人々は女の言葉に驚愕を隠せない。
「国王陛下!?」
「まさか!?」
周囲の困惑をよそに、レイナートは跪いている女を「誰だろう?」と訝しんでいた。相手は跪いてい頭を垂れているから、見下ろす形のレイナートからは顔がわからない。だが声には聞き覚えがあった。
「もしかして……、ゼーナさん?」
「そんな、勿体のうございます、陛下」
女は顔を少し上げ嬉しそうな笑顔を見せた。
レイナートの伯母エミネが営んでいた王都の老舗の宿屋・男鹿亭。女はその女中の一人であったゼーナである。
辺りは水を打ったように静まり返り、人々は一様に跪いている。これはせっかく忍びの姿で街へ出てきたレイナートの望んだことではない。
「皆の者、直りなさい。今は忍び姿故、そのような真似をすることはない」
レイナートはよく通る声で言う。
だが平民がその言葉に素直に応じることなどない。そんなことをすれば間違いなく首が飛ぶからである。
レイナートは苦笑せざるを得ない。身分制度のなんと不便で、なんと人々に難儀を強いるものなのか、と。
そこでレイナートはゼーナに話しかけた。
「ゼーナさ……、いや、ゼーナ。ここは往来であり、今の私は国王としてここにいるのではない。したがって立つように」
レイナートの口調は若干ながら強い。そこでゼーナはおずおずと立ち上がった。
周囲の者達は「大丈夫なのか?」と不安げにゼーナを窺う。
だがゼーナは元服前からのレイナートを知っている。いくらレイナート担当の女中がアニスであったとしても、レイナートが男鹿亭に姿を表せば全く会わないということはない。なのでレイナートの為人はそれなりに知っている。そうして、ここでこれ以上レイナートの意に逆らうのはかえって不敬。そう考えたのである。
「ゼーナさ……、いや、ゼーナ。あなたは紙幣についてどう考える?」
若干ちぐはぐな口調のレイナート。だがゼーナはそれに戸惑うことなく、しばし考えるように沈黙していたが徐ろに口を開いた。
「わたくしは陛下のことを存じ上げておりますし、陛下の御施策であれば諸手を上げて従う所存にございます。ですが多くの人々はそこまでには至っておらぬのも実情にございます」
さすがに両親とともにロクリアン大公家に仕えていたエミネに仕込まれた、ゼーナの行儀作法と言葉遣いは錆びついていなかった。
「そうか……」
ゼーナの大胆ともいうべき言葉にレイナートは怒った風もなく、再び何かを考えている様子を見せた。
しかし周囲の人々はといえば、これはもうハラハラし通しである。
国王の名で出された命令、施策に従わぬとあれば、それはもう反逆者扱いされても文句は言えないのである。にも関わらずゼーナはそういうことがあると口にしたのだし、レイナート自身が目の前でそれを見ている。したがって下手をすれば、否、そうでなくと何人かの人間は捕らえられ首を刎ねられるかもしれない。もしかしたらその係累一切も……。
そうして人々は今自分の目の前にいる人物が国王であるということを知った。そうしてその国王とは誰か? 言わずと知れたリンデンマルス公爵レイナート殿下である。そうしてレイナート殿下といえば? そこで誰もが思い出す忌まわしき名、アレモネル商会。
そう、リンデンマルス公爵家といえば、平民にとってはイステラ有数の大貴族ということよりも、アレモネル商会事件の当事者として認知されているのである。
その場の人々の背筋が一瞬にして凍りついた。
彼らの身内や親戚にアレモネル商会事件に連座して処断された者はいない。何故なら不敬罪が適用され、商会の関係者の親族、姻族の全てが斬首されたからである。だが友人や近隣の者ということであれば当然見知った者もいた。彼らが命を失うことになったその原因となった人物。それが眼前のリンデンマルス公爵であり現イステラ国王のレイナート陛下なのである。
―― 言われた通りにしなきゃ、死あるのみ……。
勅命とはいえ、見たことも聞いたこともない「紙幣」の運用に懐疑的であり、その故に、違法であるのを知っているにもかかわらず、密かに紙幣での取引には割り増しを行っていた街の人々である。だが目の前のレイナートを見て人々は青くなった。文字通り生色を失ったのである。
―― 下手すりゃ自分も家族もアレモネル商会の奴らと同じ目に合わされる!
イステラの、特に王都民にとって、アレモネル商会事件の記憶は未だ風化していなかったのである。
そこで彼らは突然口々に叫んだ。
「今度からはお触れの通りにします!」
「もう割増料金にはしやせん!」
街の視察を終えて王宮に戻ったレイナートは、人々の態度が豹変したことにしばし合点がいかなかった。
―― 何故彼らは突然あんなに変わったのか?
だが、もちろんそれは自分が国王と知ったからであろう。そうして王の意に逆らえば、過酷な刑罰に合うということは誰でも知っている。それ故のことなのだろうとこの時はレイナートはそれで納得したのであり、もちろんそれはそれで当然のことでもあった。
だがそれだけではないだろう、と言ったのは王の執務室内、レイナートの前に立つクレリオルである。
「あの時何者かが小さく『アレモネル商会』とつぶやくのを聞きました。陛下が国王であるということよりも、アレモネル商会事件の当事者であるリンデンマルス公爵であるということが原因だったと思います」
「あの事件か……」
レイナートが遠い目をしてつぶやく。
レイナートはしばし無言のまま沈思していた。頃合いを見計らってクレリオルが声をかけた。
「ところで陛下」
「何かな?」
「この際ですが、陛下の即位を国民に知らしむべく、即位演説と王都内の巡幸をなさってはいかがでしょうか?」
「今更か?」
レイナートが驚きの表情を見せた。だがクレリオルは続けた。
「ええ。此度の一件も元を正せば、陛下がリンデンマルス公爵であるということと直接結びつかなかったからではないでしょうか?」
「だが私の即位を告知した際、それは併せて公表されたはずだが?」
「はい、確かに。ですがあの時、陛下が王都内を巡り市民らにもっと直接的に印象づけておけば、皆が陛下のことをもっと記憶しておいたことでしょう。
となれば、紙幣の使用に際し、割り増しで払わせるということもなかったやもしれません」
「……。だがそれは、悪名を利用しているようだな」
それは言われて楽しいことではないからレイナートが仏頂面になった。だがクレリオルは続けざるを得まいと考え言葉をつないだ。
「そうお考えになるのも無理からぬ事と拝察します。ですが陛下がリンデンマルス公爵であり、古イシュテリアの聖剣を持ち、アレモネル商会事件に関わったことは事実」
クレリオルはレイナートの表情を窺う。
元々気に入らないことを言われても、機嫌を悪くしてその者を遠ざけるなどということはしないレイナートである。だが臣下として怒らせたくはないのは当然である。
「以前の御前会議においても『破邪の剣に誓って』という手法を取るべきとの意見がありました。巡幸を兼ねて改めて国民にそれを知らしめましょう」
「……。あまり気の進む話ではないな」
レイナートがボソリと言う。
「だが、今のままでは紙幣の運用が失敗する可能性が高いと認めざるを得ないのも確かだ」
レイナートがそう言ってクレリオルの顔を見据えた。
「はい。なんとしてもこの紙幣の発行・流通は成功させなければなりません。そのためには……」
「利用出来きるものは何でも利用しなければならんか……」
「御意」
クレリオルが大きく頷いたのであった。
その日の出来事を記したレイナートのいつもの記録帳。そこにレイナートは珍しく一言だけ感想を書き記している。「伝統、仕来りはみだりに違えるべからず」と……。
伝統というものは、それが確立されるまでに当然長い時間と人々の営みがあってのことである。確かに時代が下れば古い伝統や仕来りというものは、時代にそぐわない、もしくは無用なことと捉えられることが多くなるのは事実である。
だが、だからといってそれを闇雲に廃止したり、変えたりするということもあらぬ弊害を起こすことになる。したがってそのためには十分な検討を要するのである。
今回のことは、その一つであった、とレイナート自身が認めたということであろう。
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